アレルギー検査でわかることは?種類・受け方・痛みの少ない検査を耳鼻科医が解説
毎年くしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみに悩まされていても、「自分が何のアレルギーなのか」まで調べたことがある方は意外と少ないかもしれません。原因となるアレルゲン(アレルギーのもと)が分かると、日々の対策や治療の選び方が大きく変わってきます。逆に、原因が分からないままでは、対策も手探りになりがちです。近年は痛みが少なく、短時間で結果が分かる検査も登場しています。この記事では、当院の動画をもとに、アレルギー検査でわかること・検査の種類・受け方を、耳鼻咽喉科の視点でわかりやすく整理しました。
そもそもアレルギー性鼻炎とは?
アレルギー性鼻炎とは、本来は体に害のないもの(花粉やダニなど)に対して、体を守る免疫が過剰に反応してしまい、くしゃみ・鼻水・鼻づまりといった症状を起こす状態です。原因となる物質を「アレルゲン」と呼びます。体がアレルゲンを「敵」と認識すると、それに反応する抗体(IgE抗体)が作られ、次に同じアレルゲンが入ってきたときに、鼻の粘膜でヒスタミンなどが放出されて症状が出ます。
アレルギー性鼻炎は、大きく2つに分けられます。スギ・ヒノキ花粉などで特定の季節に起こる季節性(花粉症)と、ダニ・ハウスダスト・ペットの毛などで一年中症状が出る通年性です。自分の症状がどちらのタイプで、何が原因なのかを知ることが、対策の第一歩になります。近年はアレルギーを持つ人の割合が増えているといわれ、決して珍しいものではありません。
アレルギーを持つ人は増えている?
アレルギー性鼻炎や花粉症は、年々身近な存在になってきています。かつては一部の人の悩みというイメージもありましたが、近年ではスギ花粉症をはじめ、幅広い年代でアレルギー性鼻炎を持つ人が増えているといわれます。子どものころは症状がなかったのに、大人になってから急に花粉症を発症する方も少なくありません。「今まで大丈夫だったから自分は関係ない」とは言い切れないのが、アレルギーの特徴のひとつです。
また、複数のアレルゲンに同時に反応する人も多く、たとえば「スギ花粉だと思っていたら、ダニやハウスダストにも反応していた」というケースもよくあります。こうした思い込みと実際のずれを明らかにできるのも、検査の大きな意義です。自分の体質を正しく知ることが、無駄のない対策につながります。
なぜアレルギー検査をするの?
「毎年のことだから」と検査を受けないままの方も多いのですが、原因アレルゲンを知っておくことには、次のようなメリットがあります。
アレルギー検査の主な種類
アレルギー検査にはいくつかの方法があります。代表的なものを見てみましょう。どの検査が適しているかは、症状や年齢、目的によって異なります。
痛みが少なく、短時間で分かる検査もある
「採血がこわい」「結果が出るまで待つのが不便」といった理由で検査をためらう方もいます。近年は、指先からごく少量の血液を採るだけで、その日のうちに結果が分かり、一度に多くの項目を調べられる検査(ドロップスクリーン検査など)も普及してきました。腕からの通常の採血が苦手な方や、小さなお子さんでも取り入れやすいのが特長です。
どの検査が向いているかは、症状や体質、目的によって変わります。検査の種類や項目は医療機関によって異なるため、気になる方はかかりつけの耳鼻科で相談してみるとよいでしょう。
検査の受け方・流れ
症状やお困りごと、いつごろ症状が出るかを医師に伝える。どの検査が適しているかを相談する。
選んだ方法で採血を行う。少量採血の迅速検査なら、指先からの採取で短時間ですむ。
結果をもとに、原因アレルゲンや対策、治療の選択肢を医師と一緒に考える。迅速検査ならその日のうちに説明を受けられることも。
検査でわかること・注意したいこと
アレルギー検査でわかるのは、「どのアレルゲンに対して反応が出やすいか(感作されているか)」です。ただし、ここで大切な注意点があります。検査で反応が出た(陽性)=必ず症状が出る、とは限らないということです。反応があっても症状が出ない場合もあれば、その逆もあります。だからこそ、検査結果は数字だけで判断するのではなく、実際の症状や生活の様子と合わせて、医師が総合的に評価することが大切です。
また、検査で調べられる項目には限りがあり、すべてのアレルゲンを一度に確認できるわけではありません。結果の見方や、次にどうするかは人によって異なります。「陽性が出たからこの食べ物は絶対にダメ」などと自己判断せず、必ず結果は医師の説明を受けたうえで活用してください。とくに食物に関する反応は判断が難しいことが多く、思い込みで食事を制限してしまうと、かえって栄養面などで困ることもあります。数字の高い・低いだけにとらわれず、専門家と一緒に読み解くことが安心につながります。
こんな人は検査を考えてみて
検査のあと——結果をどう活かす?
原因アレルゲンが分かったら、それを生活の中で避ける工夫が第一歩です。ダニやハウスダストなら寝具やこまめな掃除、花粉ならマスクや帰宅時の対策など、原因に応じた対策がとりやすくなります。そのうえで、症状に合わせた薬による治療を組み合わせていきます。
また、スギ花粉やダニによるアレルギー性鼻炎では、体を少しずつアレルゲンに慣らしていく舌下免疫療法という治療が選択肢になることもあります。こうした治療を検討するうえでも、まず原因を検査で確かめておくことが土台になります。どの方法が合うかは一人ひとり異なるため、検査結果をもとに医師と相談して決めていきましょう。効果や適応には個人差があります。
こんなときは耳鼻科へ(受診の目安)
アレルギー検査は、つらい症状の原因を知り、その先の対策や治療につなげるための第一歩です。「毎年のことだから」と我慢し続けず、気になる方は一度、耳鼻科で相談してみてください。
よくある質問(Q&A)
まとめ
アレルギー検査は、つらい鼻や目の症状の原因を知り、対策や治療につなげるための大切な手がかりです。腕からの採血のほか、近年は指先からの少量採血で、短時間・多項目を調べられる検査も選べるようになってきました。ただし、検査結果はそれ単独ではなく、実際の症状と合わせて医師が判断することが大切です。「自分が何のアレルギーか知りたい」「毎年の症状をなんとかしたい」という方は、一度耳鼻科でアレルギー検査について相談してみてはいかがでしょうか。原因を知ることは、これからの季節を少しでも快適に、楽に過ごすための、確かな第一歩になります。