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花粉症に効く食べ物はある?医師が教える「本当に正しい食事対策」と注意点【2026年最新版】

花粉症に「効く食べ物」は本当にある?医師が正しく整理します

「ヨーグルトが花粉症にいいらしい」

「緑茶が効くって聞いたことがある」

「リンゴは体にいいから問題ないはず」

花粉症の季節になると、こうした食べ物の話題を一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

実はこれらの情報には、医学的な裏付けがあるものと、誤解を含んだものが混在しています。

今回は耳鼻科医の立場から、

今わかっている医学的事実をもとに、「花粉症と食事」の正しい考え方を分かりやすく整理します。


結論からお伝えします

まず大切なポイントです。

「これを食べれば花粉症が治る」という食べ物は、現時点では医学的に確立されていません。

一方で、

  • 食生活が体の免疫バランスに影響を与える可能性があること
  • 花粉症のタイプによっては、特定の食べ物で症状が出てしまうこと

これらは、はっきり分かっています。

つまり大切なのは、

「何を食べると良いか」だけでなく、

「自分の花粉症タイプで、注意した方がいい食べ物があるか」を知ることです。


食べ物で症状が出る?「花粉‐食物アレルギー症候群」とは

花粉症の方の中には、特定の食べ物を食べた直後に、

・口の中や喉がイガイガする

・かゆみや違和感が出る

といった症状を経験する方がいます。

これは 「花粉‐食物アレルギー症候群(口腔アレルギー症候群)」 と呼ばれる現象です。

花粉と食べ物に含まれるたんぱく質の形が似ているため、体が花粉と勘違いして反応してしまうことが原因です。

これは迷信ではなく、医学的に確認されている反応です。


特に注意したい食べ物:トマト

日本で最も多い花粉症は、スギ・ヒノキ花粉症です。

この スギ・ヒノキ花粉症の方で、特に注意が必要な食べ物の一つがトマト です。

トマトを食べた直後に、

  • 口や喉の違和感
  • ピリピリした感覚

が出る方がいます。

これは「花粉症が悪化した」というより、

花粉と似た成分に体が反応している状態です。

なお、トマト自体が体に悪い食べ物というわけではありません。

症状が出る方は、

  • 生で食べるのを控える
  • 加熱して食べる

ことで症状が出にくくなることも多いのが特徴です。


リンゴはどうなの?

リンゴも同じ花粉‐食物アレルギー症候群の代表例として知られていますが、

こちらは主に シラカバ花粉症 の方で起こりやすいことが分かっています。

シラカバ花粉は北海道や一部地域に多く、

東京・名古屋・大阪などでは飛散が少ないため、

全国的にはトマトの方が当てはまる方が多いと考えられます。

「リンゴは体にいい」という情報自体は間違いではありませんが、

花粉症の種類や体質によっては注意が必要というのが正しい理解です。


花粉症の時期に意識したい食べ物とは?

医師が考える「取り入れてみたい食品」

花粉症対策の基本は、

  • 薬を適切に使うこと
  • 花粉をできるだけ避けること

ですが、そのうえで

「日常の食事でできること」を考えるのは、とても前向きな取り組みです。

ここからは、

花粉症を治す食品ではないものの、体の状態を整える目的で取り入れてみたい食品を紹介します。


緑茶(特に「べにふうき」)

緑茶は日本人にとってなじみ深い飲み物ですが、

花粉症との関係で注目されているのが

「べにふうき」という品種の緑茶です。

べにふうき緑茶に含まれる

メチル化カテキンという成分については、

スギ花粉症の患者さんを対象とした研究で、

鼻水やくしゃみなどの症状が軽減した

という報告があります。

これらの研究から、

  • アレルギー反応を穏やかにする
  • 炎症を抑える方向に働く

可能性があると考えられています。

緑茶を飲めば誰でも花粉症が良くなるわけではありませんが、

日常的に取り入れやすく、副作用の心配も少ないことから、

花粉症の時期に意識して飲んでみたい食品の一つです。


ヨーグルト

ヨーグルトは、

花粉症の時期に特におすすめしやすい食品です。

腸には、体全体の免疫細胞の多くが集まっており、

腸内環境が免疫バランスに影響を与えることは、

医学的にもよく知られています。

実際に、

特定の乳酸菌やビフィズス菌を含むヨーグルトを

継続して摂取することで、

花粉症の症状が軽くなった

とする研究報告もあります。

特に、

ビフィズス菌BB536などを用いた研究では、

  • 症状スコアの改善
  • 免疫反応の変化

が確認されており、

体質改善のサポート役として期待できる食品と考えられています。


チョコレート(カカオポリフェノール)

チョコレートに含まれる

カカオポリフェノールには、

体の中の炎症反応やアレルギー反応を

穏やかにする働きがあることが、

これまでの研究で報告されています。

具体的には、

  • 免疫細胞の過剰な活性化を抑える
  • アレルギーに関わる反応を和らげる

といった作用が示唆されています。

花粉症そのものを治す食品ではありませんが、

高カカオチョコレートを適量楽しむことは、

花粉症の時期の体調管理として前向きな選択肢といえるでしょう。


キムチ

キムチも、

花粉症の時期に意識して取り入れたい発酵食品の一つです。

キムチに含まれる植物性乳酸菌については、

主に研究レベルで、

  • 腸内環境を整える
  • アレルギー反応を穏やかにする可能性

が示されています。

人を対象とした花粉症改善効果を直接示す研究は多くありませんが、

体の土台を整える目的で、日常的に取り入れる価値のある食品

と考えるのが現実的です。


医師からのまとめ

花粉症対策で一番大切なのは、

  • 薬を適切に使うこと
  • 花粉をできるだけ避けること
  • そして 体の土台を整える生活習慣 です。

今回ご紹介した、

緑茶(べにふうき)、ヨーグルト、チョコレート、キムチは、

花粉症の時期に「取り入れてみたい食品」です。

ただし、

食事だけで何とかしようとせず、

つらい症状がある場合は、早めに医療機関へ相談してください。

参考文献(補足)

  1. べにふうき緑茶(メチル化カテキン)がスギ花粉症症状を軽減した無作為化二重盲検試験 Masuda S, et al. Benifuuki Green Tea Containing O-Methylated Catechin Reduces Symptoms of Japanese Cedar Pollinosis: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Trial. Clinical & Experimental Allergy.
  2. 花粉飛散前からのべにふうき緑茶摂取が季節性アレルギー性鼻炎に及ぼす効果 Maeda-Yamamoto M, et al. Efficacy of Early Treatment of Seasonal Allergic Rhinitis with Benifuuki Green Tea. Clinical & Experimental Allergy.
  3. レルギー性鼻炎に対するプロバイオティクスの有効性と安全性:系統的レビューとメタアナリシス Chao L, et al. Efficacy and Safety of Probiotics in Allergic Rhinitis: A Systematic Review and Meta-Analysis. Frontiers in Immunology, 2022.
  4. ビフィズス菌BB536含有ヨーグルトがスギ花粉症症状に及ぼす影響(無作為化二重盲検試験) Xiao JZ, et al. Effect of Probiotic Bifidobacterium longum BB536 on the Clinical Symptoms and Cytokine Production in Japanese Cedar Pollinosis. Journal of Investigational Allergology and Clinical Immunology, 2006.
  5. 花粉‐食物アレルギー症候群(PFAS)の特徴と危険因子に関する疫学研究 Inomata T, et al. Characteristics and Risk Factors of Pollen-Food Allergy Syndrome. Journal of Allergy and Clinical Immunology.
  6. 日本アレルギー学会 食物アレルギー診療ガイドライン(花粉‐食物アレルギー症候群の解説) 日本アレルギー学会
  7. キムチから分離されたLactiplantibacillus plantarum NR16の経口投与はマウスのアレルギー性鼻炎を改善する