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そのいびき、実は寿命を縮めているかも?「睡眠時無呼吸症候群」3つのリスク

こんにちは。名古屋はなまる耳鼻科クリニック院長のDrはなまるです。

「家族からいびきがうるさいと言われる」「寝ている間に呼吸が止まっているようだ」 そんな相談をよく受けます。「ただのいびきでしょ?」と軽く考えられがちですが、実はそこには恐ろしいリスクが隠れています。

今回は、別名**「サイレントキラー(静かなる殺し屋)」とも呼ばれる睡眠時無呼吸症候群(SAS)**の怖さについて解説します。


日本人の4人に1人が該当する「国民病」

睡眠時無呼吸症候群とは、寝ている間に何度も呼吸が止まったり、浅くなったりする病気です。

  • 潜在的な患者数: 日本全体で約3,140万人(軽症含む)
  • 割合: 日本人の約4人に1人
  • 治療の現状: 中等症以上で治療が必要な人は約940万人に対し、実際に治療を受けているのはわずか60万人程度

つまり、9割以上の人が治療が必要なのに放置されているのが現状です。あなたやご家族も、その一人かもしれません。


リスク①:心臓が「超ブラック企業」状態に

呼吸が止まると、体の中は深刻な酸素不足に陥ります。すると、心臓は足りない酸素を補おうとして、寝ている間も必死にポンプを動かし続けなければなりません。

本来、睡眠中は心臓が休まる時間です。しかし無呼吸があると、心臓は24時間365日フル稼働を強いられます。例えるなら、**「休みなしで働かされる超ブラック企業の社員」**のような状態です。

  • 高血圧: 無呼吸症候群の人の約50%が合併。
  • 不整脈と脳梗塞: 心臓が不規則に動く「心房細動」が起きやすくなり、心臓の中にできた血の塊が脳に飛ぶと脳梗塞を引き起こします。
  • リスク: 無呼吸がない人に比べ、脳梗塞・脳出血のリスクは3.3倍に跳ね上がります。

リスク②:交通事故のリスクが2.4倍に

2003年、新幹線の運転士が居眠り運転をして大きな話題となりましたが、その原因もこの病気でした。

酸素不足で体が「戦闘モード(交感神経が優位)」のままになるため、脳が全く休まりません。

  • 自覚のない眠気: 「自分は大丈夫」と思っていても、集中力は著しく低下しています。
  • 事故のリスク: 一般の人に比べて交通事故を起こすリスクは約2.4倍高くなります。

リスク③:驚きの生存率。放置は「がん」と同じ?

最も衝撃的なデータがあります。重症の無呼吸症候群を放置した場合、**8年後の生存率は約63%**という報告があります。

これは、100人いたら8年以内に37人が亡くなっているという計算です。この数字は、胃がん(ステージ2)の5年生存率に匹敵するほどのインパクトです。寝ている間の無呼吸が、いかに命に直結するかが分かります。


「おかしいな?」と思ったらセルフチェック

自分では気づきにくい病気だからこそ、周りのチェックが重要です。


最後に:Drはなまるからのメッセージ

睡眠時無呼吸症候群は、適切な治療(CPAPなど)を行うことで、これらのリスクを劇的に下げることができます。

「ただのいびき」と放置せず、大切な家族のため、そしてあなた自身の未来のために、早めに医療機関を受診してください。

名古屋はなまる耳鼻科クリニックでは、SASの検査・治療に力を入れています。気になる症状があれば、いつでもお気軽にご相談ください。