“鼻に水は怖い”が“気持ちいい!”に変わる——Drはなまる流「鼻うがい」完全ガイド
こんにちは。名古屋はなまる耳鼻科クリニック 院長のDrはなまるです。このコラムでは、動画でご紹介した「鼻うがい(鼻洗浄)」を、ブログでもそのまま実践できるように分かりやすくまとめました。実演では、最初は怖がっていたアシスタントの“もえちゃん”も、正しい手順とコツを守ったら「痛くない・すっきり・気持ちいい」まで到達。この記事を読めば、今日からご自宅で安全に始められます。
鼻うがいとは?
鼻うがいは、生理食塩水で鼻腔内をやさしく洗い流し、粘膜に付着した鼻水・花粉・ハウスダスト・細菌などの汚れを落として鼻の通りを改善する方法です。副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などで、鼻づまり・後鼻漏・ねばつく鼻水が気になる方に特に有効です。正しく行えば「ツーンと痛い」は起きません。
必要なもの
・市販の鼻うがいボトル(薬局・通販で購入可。付属の食塩パウダーがあるタイプが便利)
・生理食塩水(付属パウダー+水で作成/プレミックス液の製品でもOK)
・水は必ず安全な水を使用(推奨:一度沸騰させて冷ました水/滅菌水/蒸留水)。水道水をそのまま使うのは避けましょう。
・温度の目安はぬるめ(約38〜40℃)。冷たすぎ・熱すぎは不快です。
作り方(パウダー付属タイプ)
- ボトルに付属の食塩パウダーを入れる。
- 容量線まで安全な水を注ぐ。
- しっかりフタをしてよく混ぜる。※真水は絶対ダメ。ツーンと痛くなります。
正しい姿勢とコツ(痛くないポイント)
・前かがみで洗面台に向かう(上を向かない)。
・ノズルを片方の鼻に軽く当て、やさしく押す(強く押しすぎない)。
・口を「あー」と開けて声を出しながら行う。
・片側が終わったら反対側も同様に。
実演のポイント(現場でよくあるつまずき)
・最初は怖さから押す力が弱すぎて、うまく流れないことがあります。慣れたら「やさしく、でもためらわない」圧でスムーズに。
・強すぎる圧は逆効果。耳側に流れて中耳炎のリスクが上がるため、ポンプは“じんわり”が基本。
頻度の目安
・基本は1日1〜2回+α。おすすめは朝と夕方+α就寝前(寝つきが良くなる)。
・やりすぎは粘膜を乾かすので、多くても1日2回+必要時くらいに。
やってはいけない/注意してほしいこと
・真水で行わない(強い痛みの原因)。必ず生理食塩水で。
・強圧で一気に押し流さない(耳に抜けやすい)。
・上を向かない(のど~耳側に流れやすい)。
・急性中耳炎/耳管機能不全がある時、耳の症状が強い時は中止して医師に相談。
・子どもが行うときは必ず保護者が付き添い、圧のかけすぎに注意。
まとめ(Drはなまるから一言)
鼻うがいは、正しい水・濃度・温度・姿勢・圧さえ守れば「怖い治療」ではなく**“気持ちよく続けられるセルフケア”です。動画の“もえちゃん”のように、最初は怖くてもコツを掴めばしっかりできるようになります。鼻づまり・後鼻漏・粘つく鼻水・花粉症の季節の不快感が気になる方は、ぜひ今日から無理なく始めてみてください。