【耳鼻科医解説】自律神経を乱す本当の原因、後鼻漏と対処法
こんにちは、名古屋はなまる耳鼻科クリニック院長の佐藤(Dr.はなまる)です。
本日は、自律神経の乱れによる身体の不調と、意外な原因である「後鼻漏」についてお話します。
最近、だるさや眠れない夜、頭痛や肩こり、そしてめまいや不安感などの症状に悩む方が増えています。これらの症状は、いわゆる「自律神経失調症」と呼ばれるものです。
しかし、その原因が耳鼻科の病気に関連していることをご存じでしょうか?特に「後鼻漏」が関係している可能性があるのです。
この記事では、自律神経の乱れと後鼻漏の関係、そしてその効果的な対処法について詳しく解説していきます。もし、自律神経失調症や慢性的なだるさでお悩みの方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
自律神経の乱れと後鼻漏の関係
まずは、自律神経について簡単に説明します。自律神経とは、私たちの意思に関係なく働き、体内のバランスを保つ神経のことです。自律神経が乱れると、次のような症状が現れることがあります。
• からだのだるさ
• 夜眠れない
• 頭痛や肩こり
• めまい
• 動悸や息切れ
• 不安やイライラ、うつ
通常は、ストレスや生活習慣の乱れが自律神経の乱れの原因とされていますが、実は耳鼻科の病気が原因である場合もあります。その病気の一つが、**後鼻漏(こうびろう)**です。
後鼻漏とは?
後鼻漏とは、鼻水が喉の奥に流れ込む症状のことを指します。風邪や副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎などでも後鼻漏が起きることがあり、多くの人が経験したことがあるでしょう。
しかし、後鼻漏の背後にある「上咽頭炎(じょういんとうえん)」が、自律神経を乱す原因となっていることがあります。
上咽頭は、鼻の奥から喉にかけての部分で、ウイルスや細菌などから体を守る重要な役割を果たしています。この部分に炎症が起きると、自律神経にも影響を与え、全身のバランスが崩れるのです。
上咽頭炎のチェックポイント
次に、上咽頭炎かどうかを確認するための3つのポイントを紹介します。
1. 耳の下を押すと痛い
耳の下から鎖骨にかけて伸びる**胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)**という筋肉を押して痛みがある場合、上咽頭炎の可能性があります。
2. 口呼吸をしている
口呼吸は上咽頭に炎症を引き起こしやすく、後鼻漏や自律神経の乱れを引き起こす原因になります。普段から口呼吸をしていないか、確認してみましょう。
3. 喉の奥に違和感がある
喉に痰が絡んでいる感じや違和感がある場合、後鼻漏が原因である可能性があります。
これらのポイントに当てはまる方は、上咽頭炎の疑いがありますので、一度耳鼻科を受診することをお勧めします。
対処法
対処法① 鼻うがい
自律神経の乱れや上咽頭炎の対処法として、まずおすすめなのが鼻うがいです。鼻うがいは、鼻や喉を直接洗い流し、炎症を抑える効果があります。市販の鼻うがい器を使えば、自宅で簡単に行うことができます。
鼻うがいの詳しい方法については、動画を参考にしてください。
対処法② Bスポット治療
次に紹介するのがBスポット治療です。これは耳鼻科で行う治療法で、鼻や喉の奥に薬を塗布して上咽頭の炎症を抑える方法です。
治療には週に1〜2回の頻度で行うことが推奨されており、症状が軽い人は1〜2回で改善することもありますが、重症の方は10回以上の治療が必要な場合もあります。治療には痛みを伴いますが、79.5%の改善率が報告されており、非常に効果的な方法です。
まとめ
後鼻漏や上咽頭炎が、自律神経の乱れを引き起こしているかもしれません。これらの症状に悩んでいる方は、鼻うがいやBスポット治療を試してみる価値があります。
もし、このブログを読んで「自分も上咽頭炎かもしれない」と感じた方は、ぜひ一度耳鼻科で診察を受けてみてください。そして、改善策を実行することで、より快適な生活を取り戻しましょう。
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