【絶対見逃すな!】大人の鼻血の3つの危険症状を耳鼻科医が解説
こんにちは、名古屋はなまる耳鼻科クリニック院長の佐藤(Dr.はなまる)です。今回は「大人の鼻血の3つの危険症状」について解説します。鼻血は誰にでも起こる一般的な症状ですが、大人の場合は、時に重大な病気が隠れている可能性があります。
特に、血が止まりにくい鼻血や、頻繁に起こる鼻血は注意が必要です。最悪の場合、鼻の中に腫瘍ができていることも考えられます。この動画では、鼻血の危険な症状や病院に行くべきタイミング、さらには正しい鼻血の止め方についても解説しますので、最後までご覧ください。
目次
• 一般的な鼻血とは?
• 危険な鼻血の原因
• 危険な鼻血の3つの症状
• 正しい鼻血の止め方と注意点
•鼻血が止まった後の注意点
• まとめ
一般的な鼻血とは?
まず、鼻血自体は決して珍しいものではなく、誰しも一度は経験したことがあると思います。子供の場合、特に鼻をほじる習慣やアレルギーなどが原因で鼻の前方部分からの出血が多いです。ここは「キーゼルバッハ部位」と呼ばれ、鼻中隔の前方、つまり鼻の入り口に近い部分に位置しています。この部位は細い血管が密集しており、簡単に破れて出血しやすいのです。
一般的な鼻血の特徴は、以下の通りです:
• 鼻の前方からの少量の出血
• 短時間で自然に止まる
• ほとんどの場合、深刻な問題はない
子供に多い鼻血のほとんどはこのタイプで、通常は心配する必要はありません。
危険な鼻血の原因
一方、大人の鼻血は注意が必要です。特に以下のような要因がある場合、鼻血が大量に出やすく、止まりにくい傾向があります。
1. 高血圧・動脈硬化
• 高血圧や動脈硬化があると、鼻の血管が切れやすくなります。血圧が高い状態では、鼻の粘膜にある細い血管が破裂し、大量に出血することがあります。出血が突然起こり、止まりにくいことが特徴です。
2. 血液・肝臓・腎臓疾患
• 白血病や肝硬変、腎臓疾患などの病気がある場合、血液の凝固能力が低下し、鼻血が止まりにくくなります。血小板の減少も出血を止めにくくする要因です。
3. 抗凝固薬の服用
• 抗凝固薬(血液を固まりにくくする薬)を服用していると、鼻の粘膜が傷ついた時に出血しやすく、止まりにくくなります。特に、高齢者や心疾患のある方は注意が必要です。
4. 鼻の腫瘍
• 鼻の腫瘍が原因で出血することがあります。腫瘍には血管が豊富に分布しているため、出血しやすく、通常の鼻血とは異なる性質を持ちます。特に頻繁に出血する場合は、耳鼻科での検査をおすすめします。
危険な鼻血の3つの症状
以下の3つの症状が見られた場合は、早急に耳鼻科を受診することを強く推奨します。これらは、危険な鼻血の兆候です。
1. 20分以上出血が続く
• 正しい止血方法を行っても20分以上止まらない鼻血は、非常に危険です。特に鼻の後方からの出血である可能性が高く、この場合は大量出血や止血困難が予想されます。こうした鼻血は、自己処置では止まりにくく、医療機関での対応が必要です。
2. 週1回以上頻繁に鼻血が出る
• 頻繁に鼻血が出る場合も、注意が必要です。特に週に1回以上のペースで鼻血が出る場合、鼻や副鼻腔に腫瘍が隠れている可能性が考えられます。鼻腔内の腫瘍は、放置すると進行してしまう可能性があるため、早期発見が重要です。
3. 歯茎など他の部分からも出血する
• 鼻以外の部分、特に歯茎からの出血が見られる場合、血液の凝固に関する疾患が疑われます。これが続く場合は、白血病や血液疾患の可能性もあるため、速やかな検査が必要です。
正しい鼻血の止め方と注意点
鼻血が出た時、正しい止め方を知っていることが重要です。誤った対処をすると、症状が悪化することがあります。
1. 頭を前に傾ける
• 鼻血が出た際は、頭を前に傾けることが重要です。後ろに傾けると、血が喉に流れ込んでしまい、気分不良や窒息の危険があります。
2. 鼻を圧迫する
• 鼻の柔らかい部分(鼻の下方)を親指と人差し指で圧迫し、10分間その状態を保ちます。それでも止まらなければ、さらに10分間圧迫します。それでも止まらない場合は、医療機関を受診してください。
3. 鼻にティッシュを詰めない
• ティッシュを鼻に詰めるのは、実は間違った方法です。ティッシュは、逆に鼻の粘膜を傷つけ、出血を悪化させる可能性があります。また、抜く際に再出血することもあるため、避けましょう。
鼻血が止まった後の注意点
鼻血が止まった後も、再出血を防ぐためにいくつかの行動は避けるべきです。
1. 入浴
• 鼻血が止まった直後に入浴することは避けましょう。湯船で体が温まると血流が促進され、再出血しやすくなります。シャワーで済ませるのがベストです。
2. 運動
• 運動も避けるべき行動です。運動によって血圧が上昇し、再び出血が起こるリスクがあります。特に、重い物を持つなどの力仕事は避け、安静に過ごしてください。
3. 飲酒
• アルコールは血管を拡張させるため、出血しやすくなります。鼻血が治まった後、しばらくは飲酒を控えましょう。
まとめ
大人の鼻血は、単なる症状ではなく、背後に重大な疾患が隠れている場合もあります。特に、20分以上止まらない出血、頻繁に起こる鼻血、他の部分からの出血が見られる場合は、早急に耳鼻科を受診しましょう。正しい対処法を知ることで、症状の悪化を防ぐことができます。