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【耳鼻科医解説】驚きの事実! 鼻水・鼻つまりの原因は寒暖差アレルギーだった

こんにちは、名古屋はなまる耳鼻科クリニック院長の佐藤(Dr.はなまる)です。今日のテーマは「謎の鼻水、鼻つまりの原因!? 寒暖差アレルギー」についてです。季節の変わり目に鼻水が増えたり、朝晩に特に鼻が詰まりやすくなることはありませんか?もし、花粉症でも風邪でもないのにこれらの症状に悩まされている方は、「寒暖差アレルギー」かもしれません。

寒暖差アレルギーという言葉を初めて聞く方も多いかと思いますが、実はこれが原因で多くの方が不快な症状に悩まされています。今日はこの寒暖差アレルギーについて詳しく解説し、風邪や花粉症との違い、そして治療法や対策方法までお伝えします。

目次

寒暖差アレルギーとは?

風邪や花粉症との見極め方

寒暖差アレルギーの治療法・対策法

まとめ

寒暖差アレルギーとは?

寒暖差アレルギーは、正式には「血管運動性鼻炎」と呼ばれ、アレルギー反応ではなく、自律神経の乱れが原因で発症する鼻の病気です。寒暖差が大きい日には、特に朝晩に鼻水が出たり、鼻詰まりがひどくなることがあります。この症状は風邪や花粉症に似ているため、見過ごされがちですが、実際にはこれらとは異なるメカニズムで発症しています。

寒暖差アレルギーの主な症状は次の通りです:

透明でサラサラした鼻水が出る

鼻詰まり

くしゃみ

これらの症状は、特に1日の寒暖差が7度以上になると現れやすくなります。また、寒暖差だけでなく、ストレスやタバコの煙、飲酒、妊娠などが原因で自律神経が乱れ、症状が悪化することもあります。

寒暖差アレルギーは、季節の変わり目に特に多く、日中は問題がなくても、朝晩にだけ鼻水や鼻詰まりがひどくなるという方が多いのが特徴です。たとえば、暖かい室内から急に寒い外に出たときに鼻水が出たり、寒い日に暖かいラーメンを食べた時に鼻水が垂れてきた経験はありませんか?これも寒暖差アレルギーの一種です。

風邪や花粉症との見極め方

寒暖差アレルギーは、風邪や花粉症と症状が似ているため、見極めが難しいですが、いくつかのポイントを押さえることで区別できます。以下は、それぞれの病気の主な違いです。

風邪の場合:風邪では、鼻水がやや濁っていることが多く、時には黄色や緑色の粘性のある鼻水が出ることがあります。また、熱が出たり、喉の痛みや頭痛など鼻以外の症状も伴います。

花粉症の場合:花粉症の最大の特徴は「目の痒み」です。寒暖差アレルギーには目の痒みはほとんど見られないため、これが見極めのポイントになります。また、花粉症では鼻水が大量に出て、くしゃみも頻繁に出るのが特徴です。

これらの症状に加えて、アレルギー検査を受けることで、花粉症かどうかを確認することも可能です。検査で陽性反応が出れば花粉症の可能性が高く、陰性であれば寒暖差アレルギーの可能性が出てきます。特に春先や秋口などの季節の変わり目で鼻の症状が続いている場合は、寒暖差アレルギーを疑ってみると良いでしょう。

寒暖差アレルギーの治療法・対策法

寒暖差アレルギーの治療法と対策は、主に以下の3つのポイントに分けられます。

1. マスクの着用

寒暖差アレルギーの症状を軽減するためには、冷たい空気が直接鼻に入るのを防ぐことが重要です。マスクをすることで、鼻を暖かい空気で保護し、寒暖差による刺激を和らげることができます。特に季節の変わり目や朝晩の冷え込む時間帯にはマスクを着用することが効果的です。また、花粉症の対策にもなり、一石二鳥です。

2. 「首」を温める

寒暖差アレルギー対策のもう一つのポイントは、首を冷やさないことです。首や手首、足首といった「首」と名のつく部分を温めることで、体全体が冷えにくくなり、寒暖差の影響を受けにくくなります。具体的には、マフラーやストール、タートルネックの衣服を着ることがお勧めです。特に寝る時は、首が布団から出て冷えることが多いため、インナーにタートルネックを着るのも有効です。また、適度な入浴で体全体を温めることも効果的です。

3. 薬物治療

症状が強い場合は、薬物治療も検討しましょう。寒暖差アレルギーに対しては、「ステロイド点鼻薬」と「抗ヒスタミン薬」が一般的に使用されます。これらは花粉症にも使われる薬ですが、寒暖差アレルギーの場合、抗ヒスタミン薬よりもステロイド点鼻薬の方が効果があるとされています。アレルギーではなく、自律神経の乱れが原因であるため、抗ヒスタミン薬の効果が乏しいことが理由です。

薬物治療を行う場合は、医師と相談の上、適切な治療を受けることが大切です。また、薬物治療だけでなく、自律神経を整えるための生活習慣の改善も並行して行いましょう。十分な睡眠、バランスの良い食事、適度な運動を心がけることで、症状の改善が期待できます。

まとめ

寒暖差アレルギーは、季節の変わり目に起こりやすく、風邪や花粉症と混同されやすい疾患です。しかし、症状や検査結果からある程度見極めることができ、適切な対策をとることで症状の改善が期待できます。マスクの着用や首を温める対策を取りながら、必要に応じてステロイド点鼻薬などの薬物治療を行うと良いでしょう。寒暖差アレルギーはアレルギーではなく、自律神経の乱れが原因のため、日々の生活習慣を見直し、体調を整えることも重要です。