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【耳鼻科医解説】副鼻腔炎、後鼻漏にオススメな市販薬について徹底解説

こんにちは、名古屋はなまる耳鼻科クリニック院長のDr.はなまるです。今日のテーマは「副鼻腔炎、後鼻漏に効くオススメ市販薬」についてです。副鼻腔炎に悩む方は多く、その中には耳鼻科に行く時間がなかなか取れない方もいるのではないでしょうか?また、耳鼻科での治療を受ける前に少しでも症状を軽減したいと考えている方もいるかもしれません。そこで今回は、副鼻腔炎や後鼻漏に効果が期待できる市販薬をいくつかご紹介し、その使い方や注意点についても詳しく解説していきます。

目次

副鼻腔炎とは?

市販薬①:葛根湯加川芎辛夷

市販薬②:辛夷清肺湯

番外編:鼻うがいの効果

まとめ

副鼻腔炎とは?

副鼻腔炎とは、副鼻腔という鼻の奥にある空洞に炎症が起こる病気です。一般的な風邪やインフルエンザが長引いたり、アレルギー性鼻炎などが悪化することで、副鼻腔炎に発展することがあります。具体的な症状としては、以下のようなものがあります:

• ネバっとした黄色や緑色の鼻水

• 鼻詰まり

• 鼻水が喉に降りる(後鼻漏)

• 顔面や頭の痛み

• 口臭や鼻からの臭い

これらの症状がいくつか当てはまる場合、副鼻腔炎の可能性が高いです。しかし、耳鼻科での治療が望ましいのは事実です。特に細菌感染が原因の場合、抗生剤が必要になることもあります。それでもすぐに耳鼻科に行けない方のために、次に紹介する市販薬が一時的な対策として役立つことがあるでしょう。

市販薬①:葛根湯加川芎辛夷

まず最初に紹介する市販薬は、漢方薬の「葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)」です。副鼻腔炎の初期段階や、風邪による症状の延長線上で起こる軽度の副鼻腔炎に特に効果的です。風邪薬として知られる「葛根湯」に、副鼻腔炎の治療に有効な成分が追加されたもので、漢方薬の中でも比較的馴染みやすい薬です。

この薬に含まれる「マオウ」という成分は、鼻詰まりを緩和する効果があり、鼻の通りが良くなることで、後鼻漏(鼻水が喉に降りる症状)の改善も期待できます。眠くなる成分も含まれていないため、日中に使用しても安心です。

使用方法と注意点

• 使用期間は1ヶ月までを目安に。1ヶ月以上続けても効果が感じられない場合は使用を中止し、耳鼻科に相談しましょう。

• 妊婦さんや高齢者、また重度の高血圧や甲状腺機能亢進症、排尿障害がある方はこの薬の使用を避けてください。

市販薬②:辛夷清肺湯(シンイセイハイトウ)

次に紹介する市販薬は「辛夷清肺湯(シンイセイハイトウ)」です。こちらは、副鼻腔炎の症状がある程度進行している方に向いている漢方薬です。市販薬としては、鼻炎薬として有名な「チクナイン」がこの漢方薬の代表格です。

この薬には、鼻の粘膜の線毛機能を正常化する効果があります。線毛とは、鼻の内側にある微細な毛のことで、これが異物やウイルスを外に排出する重要な役割を担っています。副鼻腔炎によってこの線毛の働きが低下すると、鼻詰まりや後鼻漏が悪化することがありますが、この薬がその機能を回復させる効果があります。また、鼻の中にできるポリープ(鼻茸)の縮小作用も期待できるため、鼻茸が原因で鼻が詰まっている人にもオススメです。

使用方法と注意点

• 使用期間は1ヶ月までを目安に。それ以上使用する場合は、薬剤師や医師に相談しましょう。

• 妊娠中の方や体力が極端に落ちている方、胃腸の弱い方は使用を控えましょう。

番外編:鼻うがいの効果

ここで番外編として、市販薬ではありませんが、鼻うがいについて紹介します。副鼻腔炎や後鼻漏に苦しんでいる方にとって、鼻うがいは非常に効果的なセルフケアの一つです。鼻うがいによって、鼻に溜まった膿や汚れ、アレルゲン(花粉など)を洗い流すことができます。鼻を清潔に保つことは、副鼻腔炎の症状を緩和し、さらに後鼻漏を防ぐために重要です。

私が個人的におすすめする鼻うがい器は「サイナスリンス」です。これまで多くの鼻うがい器を試してきましたが、大容量で使いやすく、洗浄もしやすいのがポイントです。鼻うがい器の選び方や具体的な使い方については、過去の動画やブログ記事で詳しく解説していますので、興味のある方はそちらも参考にしてください。

まとめ

今回、副鼻腔炎や後鼻漏に効果的な市販薬として「葛根湯加川芎辛夷」と「辛夷清肺湯」を紹介しました。これらの薬は、特に耳鼻科に行けない時の応急処置として非常に役立ちます。しかし、副鼻腔炎は慢性化しやすく、治療が長引くこともありますので、症状が改善しない場合は、耳鼻科での治療を検討することをお勧めします。また、鼻うがいも有効なセルフケアとして、ぜひ試してみてください。