Bスポット治療(EAT)
Bスポット治療(EAT)とは?
Bスポット療法は、慢性上咽頭炎の治療法の一つです。Bスポット治療の「B」は鼻咽腔(Biinku)の「B」からきた言葉で、上咽頭擦過療法(EAT)とも呼ばれています。
Bスポット治療(EAT)は薬液を染み込ませた綿棒を鼻や口、もしくは両方から入れて上咽頭(じょういんとう)を擦り付けるという上咽頭炎の治療法です。
上咽頭とは・・・
口蓋垂(通称喉ちんこ)の後ろ上方にあり、左右の鼻から吸った空気が合流し空気の流れの向きが変わる場所です。咽頭扁桃(通称アデノイド)も存在します。
そのため空気中の汚れやウイルス、細菌などが付着しやすい場所です。
つまり上咽頭はそれらウイルス、細菌と最初に戦う免疫機能の場所、いわば「免疫の最前線の戦場地」です。そのため上咽頭は炎症を起こしやすいのです。しかし上咽頭炎は観察や治療がしにくいため、今まで治療があまりなされてこなかった病気です。
また最近ではコロナ後遺症(だるさや息苦しさ、頭痛など)にも効果が期待されている治療法です。
目次
- 効果
- 方法
- ポイント
- まとめ
Bスポット治療の効果
- のどや鼻の痛み・違和感
- のど風邪(咽頭炎)
- 後鼻漏(鼻水が喉に流れる症状)
- アレルギー性鼻炎
- 頭痛を伴う肩こり
- 片頭痛
- 耳管機能障害(耳管開放症・耳管狭窄症)
*新型コロナウイルス後遺症、めまいや耳鳴、ぜんそく、掌蹠膿疱症などにも効果があるという報告もありますが効果には個人差があります。
Bスポット治療(EAT)の方法
Bスポット治療(EAT)は0,5~1%の塩化亜鉛液かルゴール液を染み込ませた綿棒を鼻や口、もしくは両方から入れて上咽頭を擦り付けます。
使用される塩化亜鉛は消炎作用、殺菌作用、抗ウイルス作用があり、上咽頭炎を直接抑えることができます。
処置時間は1分以内です。頻度は週に1~2回のペースで行います。
炎症が軽度であれば1,2回で改善する場合もありますが、炎症が強い場合には計10~15回を行う場合があります。
Bスポット治療(EAT)のポイント
- 痛み
処置自体は痛みを伴います。処置後数時間程度痛みが継続する人もいます。しかし痛ければ痛いほど炎症が強いことを意味しますので、その分治りも期待できると言われています。痛いからといって治療を中断しないようにしましょう。回数を重ねるにつれて処置後の痛みは改善していくことが多いです。
- 出血
処置により上咽頭から出血することがあります。実際擦った綿棒に血液が付着することも少なくありません。しかし出血も多ければ多いほど炎症が強いことの現れなのでその分改善も期待できると言われています。処置後数時間、痰に血がまじる症状が継続することがありますが自然と改善していきます。回数を重ねるにつれて処置後の出血は改善していくことが多いです。
- 一時的な悪化
まれに治療後に頭痛がしたり、アトピーなど皮膚症状が一時的に悪くなることがあります。しかしこれは上咽頭(鼻咽腔)の炎症が強いことが原因であり、後に改善していきます。
- 飲食の制限はなし
処置後特に飲食の制限はありません。
- 他治療との併用
Bスポット治療は補助的な治療法です。ネブライザー治療やのみ薬など現在受けておられる治療法を中断する必要はありません。
まとめ
症状に心当たりがある方はまずはご気軽に当院に受診しご相談ください。