流行性耳下腺炎 (おたふく)
おたふくかぜとは?
おたふくかぜは耳の前方下にある「耳下腺」という部分が炎症を起こして腫れる病気です。1〜6歳ごろにかかりやすい病気です。一度の感染で終生免疫(一生涯に渡って免疫ができる)がつきますが、大人になってかかる方もいます。この病気はかかっても軽症で済むことがほとんどですが、時には重症化し、合併症を引き起こすこともあります。
目次
- 症状
- 原因
- 検査
- 治療
- 登園・登校
- 家庭で注意すること
おたふくかぜの症状
- 耳の下が腫れと痛み
- 発熱
主な症状としては、耳の下やあごのあたり(耳下腺や顎下腺)が腫れて痛み、熱が出ることがあります。腫れは7~10日間継続することが多いです。また髄膜炎・難聴・膵炎・精巣炎・卵巣炎 などの合併症を引き起こすことあります。
おたふくかぜの原因
おたふくかぜはムンプスウイルスが原因の感染症です。ムンプスウイルスは唾液に多く含まれており、唾やくしゃみ・咳で飛んだ飛沫を介して感染(飛沫感染)します。
おたふくかぜの検査
おたふくかぜは、主に症状や所見から診断します。しかし、他の病気と判断に迷う場合や合併症が出現し確定診断が求められる場合には、ムンプスウイルス感染を証明する血液検査が行われます。
血液検査ではムンプスウイルスのIgMとIgGという2種類の抗体価を調べることで、現在感染しているか、以前感染しているかを判断できます。
検査結果の見方
- IgM(-) IgG(+)
以前におたふくかぜになったことがある。または予防接種で免疫がついている
- IgM(+) IgG(+)
現在おたふくかぜにかかっている
- IgM(-) IgG(-)
1度もおたふくかぜにかかっていない
おたふくかぜの治療
おたふくかぜに対する特効薬はなく、症状に応じた対症療法が中心となります。痛みに対して解熱鎮痛剤を使用することがあります
登園・登校
学校保健安全法で一定期間登校・登園を控えることが定められています。「唾液腺が腫れてから5日間が経過して、全身状態がよくなれば」登園・登校可能です。
家庭で注意すること
おたふくかぜを予防するには、ワクチン接種がもっとも効果的です。しかし現在日本では、おたふくかぜのワクチン接種は任意であるため、まだおたふくかぜにかかったことのない方は接種をお勧めします。