インフルエンザ
インフルエンザとは?
インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる呼吸器感染症です。風邪に比べて症状が重く、乳幼児や高齢者では重症化することもあります。さらに風邪の場合ゆっくり症状が出てくるのに対して、インフルエンザは急激に症状が出てきます。症状が出る部位も局所的ではなく、全身に倦怠感が現れるのも特徴です。潜伏期間は1~4日(平均2日)で多くの場合1週間程度で治りますが、乳幼児や高齢者、基礎疾患を持つ方の中には、肺炎を併発したり、基礎疾患の悪化を招く場合があります。
目次
- 症状
- 原因
- 検査
- 治療
- 予防
- 登園・登校
インフルエンザの症状
- 高熱
- のどの痛み
- 咳・鼻汁
- 関節痛・筋肉痛
- 全身のだるさなど
インフルエンザの原因
インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされます。このウイルスは会話や咳やくしゃみで口から出る細かいしぶき(飛沫=ひまつ)を通じて人から人へと広がります。人がウイルスを含む飛沫を吸い込むと、その人の呼吸器系に感染します。ウイルスは細胞内で増殖し、新たなウイルス粒子を作り出します。これらの新たなウイルス粒子は、感染した細胞から放出され、他の細胞に感染する能力を持ちます。これにより、感染は急速に広がります。
また、「新型インフルエンザ」は、その前年までは一度も流行したことがないもので、新しいウイルスが原因、もしくは従来のウイルスの遺伝子が突然変異することによって発生します。季節性インフルエンザと大きく構造が異なるために、多くの人が免疫を持っていないために、容易に感染が拡大しやすいです。
インフルエンザ検査
- インフルエンザ抗原検査
鼻やのどの粘液を綿棒で採取し、インフルエンザA型もしくはB型に感染しているかどうかを判定する検査です。症状が出現した後、12-24時間以降に抗原検査を行うと診断をつけることができます。しかし、発症してから12-24時間はウイルス量が少なく、インフルエンザに感染しているのに検査が陰性に出てしまう「偽陰性」が多発してしまうことがあります。
インフルエンザの治療
- 対症療法
風邪に対する一般的な治療法と同様で、発熱や咳、痰、倦怠感などの症状を緩和する薬を使用することがあります。
- 抗インフルエンザ薬
体内でインフルエンザウイルスが増殖するのを抑える作用があります。飲み薬(タミフル、ゾフルーザ)、吸入薬(リレンザ、イナビル)、点滴(ラピアクタ)などの種類の薬があります。通常、発熱後2日以内に使用します。ちなみにインフルエンザには抗生物質は効果はありません。
インフルエンザの予防
- 手洗い・手指消毒
- マスク
- 湿度を保つ
- ワクチン接種
予防策としては、手洗いと手指消毒を徹底し、マスクを着用し、人ごみを避け、室内の適度な湿度を保つ(湿度50〜60%程度)ことが推奨されます。また、流行前にワクチン接種することも大切です。ただし、ワクチンの効果は接種後2週間〜5ヶ月程度の期間です。
登園・登校
インフルエンザになった場合、学校保健安全法により、出席停止期間が定められています。
小学校・中学校・高校・大学:「発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日を経過してから」
幼稚園・保育園:「発症した後5日を経過し、かつ解熱した後3日を経過してから」
これらの期間を守って登校すれば、医師による登校許可証は基本的には必要ありません。ただし、登園・登校許可証を提出する必要がある学校や幼稚園・保育園もあります。