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咳喘息

咳喘息とは?

咳喘息(せきぜんそく)は、アレルギーなどによって口から肺へと通じる空気の通り道(気道)が炎症を起こし、しつこい咳が出る病気です。

目次

  • 症状
  • 原因咳喘息の治療
  • 治療

咳喘息の症状

  • 痰の絡まないしつこい咳(数週間から数ヶ月単位以上の期間)
  • 喘鳴(ぜんめい:ヒューヒュー、ゼーゼーと鳴ること)は伴わない
  • 息が苦しくなることは基本的に無い

咳喘息は基本的には痰が絡まない乾いた咳が多いです。咳喘息は、本格的な喘息(気管支喘息)に似た病気、または気管支喘息の一歩手前の状態と考えられています。しかし、喘息の典型的な症状であるヒューヒュー・ゼーゼーという呼吸音(喘鳴)は出現しません。また、喘息でよく見られる息苦しさも、咳喘息ではほとんど感じられません。咳の特徴としては季節性と日内変動があり、寝る時、深夜あるいは早朝に悪化しやすいです。

その他、風邪、冷たい風、運動、喫煙、雨天、湿度の上昇、花粉、黄砂などの飛散によって悪化しやすいです。

咳喘息の原因

咳喘息は、風邪などを引いた後に咳だけが8週間以上続く病気で、主な原因は風邪などが誘因となって気管の粘膜が過敏になった状態が続き、乾燥・気温差・たばこの煙・運動・飲酒などが引き金となって咳が引き起こされると考えられています。

咳喘息の治療

  • 吸入ステロイド薬
  • 気管支拡張薬
  • 抗ロイコトリエン薬など

咳喘息の治療法は主に以上の3つの薬剤を中心に行われます。

吸入ステロイド薬は咳喘息の治療の第一選択肢となります。吸入ステロイド薬は気道の炎症を抑える作用があります。ただし、吸入が難しい高齢の患者さんなどに対しては、他の治療法を検討します。また、吸入ステロイド薬は、咳が落ち着いたからといってすぐに中止すると再発する可能性があるので、経過を見ながら数か月かけて少しずつ量を減らしていく必要があります。

吸入ステロイド薬の次に検討されるのが気管支拡張薬です。気管支拡張薬には内服薬だけでなく貼付薬もあるため、吸入ステロイド薬に比べると高齢の患者さんも使いやすいといえるでしょう。咳が止まってからすぐに中止してしまうと悪化する可能性が高いため、咳が止まっても数か月は経過観察をしながら徐々に薬の量を減らしていきます。

最後に抗ロイコトリエン薬は、体内でアレルギー反応を引き起こす物質の一つであるロイコトリエンの働きを抑えることで、気管支を広げ、咳の発作などを予防し、喘息による息苦しさや咳の改善に効果が期待できます。

咳喘息は、適切な治療を受けないと気管支喘息に移行する可能性があります。そのため、3週間以上咳が続く場合は、医療機関を受診することをお勧めします。