口腔、舌がん
口腔がんとは?
口腔がんは、口の中で発生する悪性の腫瘍で、主に粘膜組織から始まります。口内炎と似たような症状を示すことがありますが、口内炎は通常、1〜2週間で自然に治癒します。しかし、口腔がんの症状は2週間以上と長期間続くので日々の生活の中で、鏡を使って口の中をチェックし、何か異常が見つかった場合や、特定の症状が長期間続く場合は、早めに耳鼻咽喉科や歯科口腔外科を受診することが重要です。
目次
- 症状
- 原因
- 検査
- 治療
口腔がんの症状
- 口内の硬いしこり
口の中に硬いしこりのようなものができることがあります。しかし、痛みが伴わないため、しこりが放置され、口腔がんの診断が遅れることが多いです。1ヶ月以上しこりが続く場合は、医療機関を受診することをお勧めします。
- 粘膜の変色や潰瘍
口の中の粘膜が赤くなったり、白く変色したり、形が変わる(潰瘍)など、口内炎に似た症状が現れることがあります。一般的な口内炎は放置しても自然と改善することが多いですが、口腔がんによる口内炎は改善せずに続くことがあります。2週間以上改善しない口内炎がある場合は、医療機関を受診することをお勧めします。
- 口内の白いできもの(口腔白板症)
口腔白板症とは、口の粘膜の表面が角化し、白く変化する病気を指します。これは口腔がんの前段階とされています。口腔白板症は、放置すると口腔がんに進行する可能性があるため、早期発見と早期治療が重要です。
口腔がんの原因
- 喫煙
口腔がんの最大のリスク因子は喫煙です。タバコの煙には多くの発がん性物質が含まれており、喫煙者の口腔がんの罹患リスクは非喫煙者に比べて高いとされています。
- 飲酒
飲酒も口腔がんの重要な危険因子で、喫煙に次ぐリスク因子です。飲酒者の口腔がんの罹患リスクは非飲酒者に比べて高いとされています。特に、飲酒と喫煙を同時に行っている人は、口腔がんの罹患リスクがさらに上昇します。
- 口腔内の不衛生
口腔内が細菌などで汚染されていると、口腔がんを発症しやすくなります。治療していない虫歯や、歯磨きを怠っている、口の中が乾燥しているなどの状態が該当します。
- 炎症
口腔内の炎症も口腔がんの発症に関与すると考えられています。
口腔がんの検査
- 視診・触診
舌や粘膜に変化がないか、しこりや首へのリンパ節への転移がないかを確認するために、実際に見たり触ったりします。
- 病理検査
病変の組織の一部を採取して、がん細胞の有無や種類(組織型)を詳しく調べます。
- 画像検査
がんが疑われる場合、がんの大きさや浸潤の程度、リンパ節転移、遠隔転移の有無を調べるために、X線、CT、MRI、超音波(エコー)検査、PET-CTなどの画像検査が行われます。
口腔がんの治療
- 手術(外科治療)
ほとんどの口腔がんでは、手術が標準治療となります。がんが小さいうちなら部分切除で済むことがありますが、がんが広範囲に及んでいる場合は、切除する範囲も大きくなります。また、手術でがんが完全に取りきれなかった場合や、再発のリスクが高い場合には、「術後補助療法」として放射線療法が追加されることもあります。さらに、必要に応じて化学療法も併用されます。