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のどが痛い

のどの痛みとは?

のどは常に外界と接しており、呼吸や飲食などにより粘膜が刺激を受けやすい部位です。粘膜は刺激を受けると、体を守るために炎症反応を起こし、赤くなったり、腫れたりします。 のどの痛みとは、何らかの原因でのどの粘膜に炎症が起こった状態を指します。この痛みは、のどの奥で感じられ、通常は物を飲み込むときに強くなることが多いです。

目次

  • 原因
  • 検査
  • 治療

のどの痛みの原因

  • 急性咽頭炎(のど風邪)

急性咽頭炎は、咽頭(鼻の奥からのどまでの部分)がウイルスや細菌の感染により炎症を起こしている状態で一般的に「のど風邪」とも呼ばれます。

  • 扁桃炎

扁桃炎は、喉の奥にある「口蓋扁桃」が炎症を起こすことで、さまざまな症状が現れる病気です。口蓋扁桃はウイルスや細菌に対抗する役割を果たしています。 扁桃炎の主な症状は、喉の痛みや発熱です。喉の痛みは違和感程度のものではなく、唾液を飲み込むのも困難なほど強い痛みを感じることもあります。また、発熱は微熱ではなく、38℃を超えることも少なくありません。 扁桃炎の原因の多くは、ウイルスや細菌の感染です。原因となるウイルスには、アデノウイルスやRSウイルスがあります。細菌では、溶連菌やブドウ球菌が扁桃炎の原因となりやすいです。

  • 上咽頭炎

上咽頭炎は、鼻とのどの間にある「上咽頭」が炎症を起こしている状態を指します。上咽頭は、外部から侵入するウイルスや細菌から体を守る免疫機能を持っています。この部位は空気の通り道となる場所であり、左右の鼻から吸い込んだ空気がちょうど合流してぶつかる場所であるため、細菌やウイルスが付着しやすく、炎症が生じやすい場所です。上咽頭炎の主な症状は、のどの痛みや違和感です。「鼻の奥の方、口蓋垂(のどちんこ)の上の方の痛みや違和感」を訴える人は、この病気である可能性があります。上咽頭炎の原因は、ウイルスや細菌の感染、アレルギー反応、喫煙、乾燥、胃酸の逆流などがあります。これらの要因が上咽頭の粘膜を刺激し、炎症を引き起こすことで痛みを生じます。

  • 逆流性食道炎

逆流性食道炎は、胃酸が食道に逆流することで食道に炎症が起き、ただれが生じる病気です。この病気の主な症状は胸焼けと酸っぱいものが込み上げてくる感じ(呑酸=どんさん)です。この胃酸の逆流が喉まで達すると、喉の違和感や喉の痛みなどの症状が現れます。逆流性食道炎の原因は、食道と胃の間の筋肉(下部食道括約筋)が緩んでしまうこと、胃に圧がかかること、胃酸が多く出ることなどがあります。これらの要因が食道の粘膜を刺激し、炎症を引き起こすことで痛みを生じます。

  • その他

病気以外にも空気中のほこりや花粉、声の出し過ぎ、過度な喫煙や飲酒など、のどへの直接的な刺激によってものどの痛みが引き起こされることがあります。

のどの痛みの検査

  • 視診

肉眼で咽頭や扁桃の状態を観察します。扁桃炎の場合には扁桃が腫れて赤くなり、白い苔(こけ)様のものが付着した所見が見られることがあります。

  • 電子内視鏡検査

鼻から喉にかけて細い電子内視鏡(ファイバースコープ)を入れることにより、鼻からのどまでをしっかり観察することができます。

のどの痛みの治療

  • 急性咽頭炎(のど風邪)

軽症の場合には対症療法(抗炎症剤やうがい薬、トローチなど)で自然治癒しますが、症状が強い場合には抗生剤などを使用することもあります。

  • 扁桃炎

軽症の場合には発熱や痛みをおさえる解熱鎮痛剤や消炎剤などの対症療法が中心です。細菌性を疑う場合や中等症以上の場合には抗菌薬の治療を行います。特に溶連菌が原因の場合、リウマチ熱の発症予防を目的として、ペニシリン系抗菌薬の10日間内服などを行います。

扁桃炎を高頻度(年に3-4回以上)に繰り返している場合(慢性扁桃炎)には、再発の予防目的のため手術で口蓋扁桃摘出を検討します。一般的には全身麻酔下で手術を行い、1週間程度の入院が必要となる事が多いです。

  • 上咽頭炎

軽症の場合には対症療法(抗炎症剤やうがい薬、トローチなど)で自然治癒しますが、症状が強い場合には抗生剤などを使用することもあります。

薬で改善しなかったり、慢性的な上咽頭炎の場合はBスポット治療(EAT)を行うことがあります。Bスポット治療(EAT)は0,5~1%の塩化亜鉛液かルゴール液を染み込ませた綿棒を鼻や口、もしくは両方から入れて上咽頭を擦り付けます。使用される塩化亜鉛は消炎作用、殺菌作用、抗ウイルス作用があり上咽頭炎を直接抑えることができます。頻度は週に1~2回のペースで行います。炎症が軽度であれば1、2回で改善する場合もありますが、炎症が強い場合には計10~15回を行う場合があります。

  • 逆流性食道炎

まずは生活習慣の改善が必要です。飲酒や肥満、食事内容(特に脂肪の多い食物や刺激物)、食後すぐの横になることなどが逆流性食道炎の原因となることがあるため、これらを改善することが重要です。また、食後2~4時間は食べ物が胃に残っているので、その間は横にならないようにしましょう。

また薬物療法として、胃酸分泌を抑える薬(プロトンポンプ阻害薬(PPI)やカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB))を用いて治療します。これらの薬は胃酸を抑える作用があり、逆流性食道炎の症状を和らげます。