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「家族やパートナーのいびきがうるさくて寝れない」
「寝ている間に呼吸が止まる事があって心配」

このようなお悩みを抱えている方いませんか?
いびき自体は正常の人でもかくことがありますが、その頻度が多く重症だと睡眠時無呼吸症候群という病気が隠れている可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群は「サイレントキラー」とも呼ばれ、症状の自覚がないまま進行します。病気を放置すると、眠気による交通事故、心筋梗塞や脳梗塞などの致命的な病気になる可能性が高くなるなど、結果的に寿命が短くなる可能性がある病気です。
特に以下の症状がある人は睡眠時無呼吸症候群の可能性があるかもしれません。

睡眠時無呼吸症候
群を疑う症状

  • いびきを習慣的にかいている
  • 睡眠中に呼吸がしばらく止まり、その後ガガっと呼吸を再開する
  • 日中の眠気が強い
  • 起床時の疲れや頭痛が強い

症状に当てはまる人は最後まで記事をご覧下さい。また動画でも解説しているのでこちらをご覧ください。

いびきとは
いびきとは

いびきは、睡眠時に鼻やのどなどの空気の通り道が狭くなったところに無理やり息を通すことで、気流が乱れ、空気が振動し音が出る現象を言います。
健康な人でも、仰向けに寝ると舌の付け根が重力で下に沈み、のどの筋肉も緩むため気道が狭くなりいびきをかきやすくなります。
いびきは基本的には無害ですが、睡眠時無呼吸症候群という症状と関連して現れているケースもあります。

いびきの原因
いびきの原因
  • 疲労やストレス
    疲労やストレスがあるまま入眠すると、筋肉が緩みやすく舌が気道に落ち込みやすくなるため、舌で気道が塞がれてしまいます。
  • 飲酒
    飲酒も同様に筋肉が緩みやすくなるため、寝る前に飲酒するとのどの筋肉が緩和して気道が細くなり空気の通りが悪くなります。
  • 喫煙
    喫煙は気道に炎症やむくみを起こす事から、気道が狭くなりいびきをかきやすくなります。
  • アレルギー性鼻炎
    アレルギー性鼻炎などで鼻の粘膜が腫れて鼻づまりを起こすと、口呼吸をするためにいびきが発生することがあります。
  • 閉経
    女性ホルモンの一種であるプロゲステロンが減少する事によっていびきが発生する事があります。プロゲステロンには呼吸中枢を刺激する、気道の筋肉を広げるといった作用があり、閉経によりプロゲステロンが減少すると気道が狭くなります。
いびきの治療法
いびきの治療法
  • 減量
    肥満の場合、気道に脂肪がついているといびきの発症に繋がるため、適正体重への減量が有効です。
  • 節酒
    アルコールによる筋肉の緩みから起こっている場合は節酒しましょう。特に寝る前の深酒は控えましょう。
  • 禁煙
    喫煙によるのどの炎症から気道が狭くなっている場合は、禁煙し気道の炎症を防ぎましょう。
  • 寝る姿勢の工夫
    仰向けに寝るといびきをかきやすいため、横向きで寝たり、いびき対策まくらを使用するなど寝具を変える事によっても治療が可能です。
  • 鼻づまりの治療
    鼻づまりがある場合は、耳鼻科での治療で鼻づまりを改善する事でいびきの改善も期待できます。
睡眠時無呼吸症候群
とは
睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)とは、眠っている間に一時的に何度も呼吸が止まってしまう病気です。成人男性の3~7%、成人女性の2~5%程度に見られる比較的頻度の高い病気です。
10秒以上気道の空気の流れが止まった状態の気流停止を「無呼吸」とし、無呼吸状態が一晩のうちに30回以上ある、あるいは1時間に5回以上起こった場合、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。睡眠中の無呼吸やいびきによって睡眠が妨げらるため、日中の眠気が強く出て交通事故などにつながりやすいです。また睡眠中に体内の酸素量が不足しがちになり、主に心臓や脳に負担がかかり、心筋梗塞や脳卒中など命に関わる合併症を引き起こしやすく「サイレントキラー」とも呼ばれています。サイレントキラーとは自覚症状がないままひそかに症状が進行し、心疾患や脳血管疾患などの重篤な病気を引き起こし死に至らしめる病気たちを指します。元々「高血圧」「糖尿病」「高脂血症」「肥満」の4つだけでしたが最近ここに「睡眠時無呼吸症候群」が追加されました。
しかし適切に睡眠時無呼吸症候群の治療を受けている患者数は少ないと言われています。
日本においては睡眠時無呼吸症候群患者は300万人と推定されるが実際は10%の30万人程度しか治療を受けていません。つまり約90%は適正な診断や治療を受けていないのです。そのため睡眠時無呼吸症候群を放置し、気づいた時には体が手遅れな状態になっている事も少なくありませんので注意が必要です。

いびきの原因
睡眠時無呼吸症候群
の原因

睡眠時無呼吸症候群の原因は、口や鼻の空気の通り道が狭くなるため発生する閉塞型、呼吸を調整する脳の働きの低下によって発生する中枢型、その両方が関係する混合型に分けられます。
ほとんどの原因は閉塞型で、閉塞型の原因は主に肥満とされています。
*以下閉塞型に焦点を当てて説明していきます。

睡眠時無呼吸症候群の多くは喉の空気の通り道(上気道)が狭くなることが原因で生じます。上気道が狭くなると主に口蓋垂(喉ちんこ)の周囲が呼吸と共に振動しいびきとなります。
そして完全に空気の通り道が閉じると呼吸ができなくなり無呼吸となります。ではなぜ起きている間は問題ないのに寝るといびきや無呼吸が生じるのでしょうか?それは仰向けに寝ると重力で舌や口蓋垂(喉ちんこ)の周辺の構造が後ろに落ちやすくなり上気道を狭くします。また睡眠中は体はリラックスした状態となり喉の筋肉も緩み、鼻の粘膜も腫れてさらに狭くなります。これが寝るといびきが起きやすい原因です。
ここに肥満や骨格上の問題が加わるとさらに上気道は狭くなります。
体重増加によりのどに脂肪が蓄積して気道が狭くなります。
また痩せている人でもあごが小さい、後退している人は気道が狭くなりやすいため睡眠時無呼吸症候群の原因となります。

睡眠時無呼吸症候群はなぜ放置してはいけないのか?
睡眠時無呼吸症候群は
なぜ
放置してはいけないのか?

睡眠時無呼吸症候群を放置した場合の4つのリスクについて。

  • 01. 交通事故
    交通事故のリスクが上昇します。
    睡眠時無呼吸症候群の人は運転中の眠気や集中力の低下が原因で健常者の約2.4倍交通事故を起こしやすいという報告があります。
  • 02. 生活習慣病
    高血圧や糖尿病などの生活習慣病を引き起こすリスクが上昇します。
    睡眠時無呼吸症候群の人は高血圧は1.5 倍、糖尿病は2倍も病気になりやすくなります。
    特に糖尿病は睡眠時無呼吸症候群に肥満も加わるとなんとリスクが7倍にもなると報告されてます。
  • 03. 突然死のリスク
    突然死のリスクが上昇します。
    睡眠時無呼吸症候群の重症者の突然死のリスクは健常者の約2.6倍と言われています。これは睡眠中の無呼吸で死亡するわけではなく、心筋梗塞や脳梗塞などの心血管系の病気が原因で死亡すると考えれています。
    心筋梗塞のリスクは健常者と比較して約2~3倍、脳梗塞は約3倍とも言われています。
  • 04. 生存率の低下
    生存率が著しく低下します。要するに寿命が短くなりやすいです。
    ある報告では睡眠時無呼吸症候群が軽症以下、もしくは健常人だった場合8年後の生存率が96%だったのに対して睡眠時無呼吸症候群の重症で無治療のまま放置した人は63%でした。つまり37%の人が8年以内に死亡したという事です。これは睡眠時無呼吸症候群によって引き起こされる、高血圧、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞が死亡の原因と考えられています。この生存率は持病が少ない50歳以下の若い人でも同様の結果でした。

    これら4つの危険性が睡眠時無呼吸症候群がサイレントキラーと呼ばれる理由です。
    睡眠時無呼吸症候群は高血圧や肥満、糖尿病と密接に関係がありそれぞれの発症リスクを高めます。そして病状が進行すると心筋梗塞や脳梗塞リスクが上昇し結果、突然死を含め死亡率を高めていくのです。
睡眠時無呼吸症候群の検査
睡眠時無呼吸症候群の
検査
  • 電子内視鏡(ファイバーカメラ)
    電子内視鏡を用いて鼻を含め上気道の広さを確認します。
  • 簡易検査(アプノモニター)
    自宅へ検査機械を持ち帰り、寝る前に鼻と指にセンサーを装着、寝ている間の呼吸状態を記録する事で検査を行います。検査中に寝返りを打ったり、起き上がることもできます。トイレにも自由に行けます。
    自宅できるので仕事を休まずに検査が可能です。
  • 夜間ポリソムノグラフィ(PSG)
    睡眠中の脳波、呼吸状態、心拍、眼球やあごの筋肉の動きなど多くの項目を測定できます。
    通常入院で行われ、1~2泊程度の入院が必要となります。
    簡易検査(アプノモニター)に比較し、無呼吸の種類や睡眠を妨げる症状などより正確に確認できます。
    当院ではまず簡易検査(アプノモニター)を行い、その結果が睡眠時無呼吸症候群を疑う場合は脳波を含めた精密検査(夜間ポリソムノグラフィー;PSG)も行い確定診断します。
    診察、検査の費用の目安はこちらをご覧ください。
睡眠時無呼吸症候群の治療法
睡眠時無呼吸症候群の
治療法

睡眠時無呼吸症候群の治療方法は、重症度に応じた治療法が用いられます。

  • 生活習慣の改善
    軽度から中度の場合まずは生活習慣の改善を促します。
    いびきと同様に、睡眠時無呼吸症候群も仰向けで寝ると気道が狭くなり発生しやすくなる為、横向きで眠る工夫をお勧めしています。
    また、減量が有効な治療になることもあるため、脂質や糖質を控え、運動を増やし規則的な食事を心がけるなどの改善で効果が期待できます。
    減量できたとしても、体重が再び増加して元に戻ると、元の状態に戻ってしまうため、減量した体重を維持する事が大切です。
  • マウスピース
    中等症以下の睡眠時無呼吸症候群にはマウスピース(口腔内装置)療法も有効とされています。
    下あごを数mm前方に突き出して嚙み合わすことで、咽頭部が広がり息の通りが良くなります。
  • CPAP療法
    中度から重度の場合は、主にマスクをつけ持続的に空気圧をかける事で気道の閉塞を解除する、人工呼吸器の様な装置を使用するCPAP療法(持続陽圧呼吸療法)や、空気の通りを良くするために鼻やのどの外科的手術などが行われます。
  • 手術治療
    口蓋扁桃が著しく大きい人は手術で口蓋扁桃を摘出し気道を拡げます。

よくある質問

  • いびきが大きいと言われます。睡眠時無呼吸症候群でしょうか?

    睡眠時無呼吸症候群の可能性はあります。
    いびきをかく全ての人が睡眠時無呼吸症候群ではありませんが、いびきをかく方の多くは、無呼吸・低呼吸を伴うため睡眠時無呼吸症候群の傾向があります。心配であれば正確な診断をつけるために検査をしてみましょう。

  • 夫の息が夜止まっています。睡眠時無呼吸症候群でしょうか?

    睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
    睡眠中の無呼吸は睡眠時無呼吸症候群の典型的な症状の1つです。
    ただし中には飲酒した時だけなどの一時的な無呼吸かもしれません。まずは通常の睡眠状態で睡眠時無呼吸症候群の検査をしてみましょう。

  • 忙しくてあまり時間がとれません。検査はどれくらい時間がかかりますか?

    検査は一晩(5時間程度)睡眠をとる間に終わります。
    睡眠時無呼吸の検査(簡易アプノ検査)はご自宅で寝ている間に行います。クリニックでは診察や説明を受けることが中心となるので検査には時間をとられません。

  • 検査は痛みを伴いますか?

    簡易アプノ検査も精密検査(PSG検査)も痛みはありません。睡眠中にモニターをつけて寝るだけの検査です。痛みはありませんので安心してください。

  • 保険適応ですか?

    全て保険適応です。診察や簡易アプノ検査、精密検査(PSG検査)はすべて 保険適用です。その後の治療に関しても保険適用ですので、ご安心ください。